2020年10月31~11月3日まで、青ヶ島と八丈島に行ってきました。
今回はその時の記録を書きたいと思います。
ここに記載している内容は、私がインターネットで調べた内容、現地で感じた内容、そして宿泊した時に宿の主人から教えてもらったことをまとめて書いています。ということで皆さんの参考になればと思います。
ちなみに私が青ヶ島の存在を知ったのは2020年。職場に旅行好きの人がいて、その人と会話しているときに教えてもらいました。
青ヶ島とは?
青ヶ島は、伊豆諸島に属する火山島で、本諸島の有人島としては最も南に位置する。日本の気象庁によって火山活動度ランクCの活火山に指定されており、また、常時観測火山にも選定されています。
外輪山によって周囲の海から隔てられ、カルデラ底が陸上に露出しているという特異な地形を持つことから、アメリカの著名な組織が記事で取り上げたことで、世界中から注目を集めたようです。上陸難易度では日本屈指の高さを誇り、外界から隔絶されている分、島民の文化も独特です。
2019年(令和元年)7月1日現在の人口は170人で世帯数は113世帯あるそうです。
観光目的で島を訪れる人は年間900人から多くても1800人程度。理由は連絡船のあおがしま丸やゆり丸の悪天候に因る欠航が多く、ヘリコプターは定員が少ないという往来の困難のため。
日本一人口の少ない村らしいです。日本一人口の少ない村が東京にあるのも驚きです。
周囲の海から隔てられ、カルデラ底が陸上に露出しているという特異な地形を持つことから、砂浜はありません。
黒潮の激しさと天候に左右され易く、昭和の始め頃に三宝港が造られましたが、漁船程度の小型船しか着けられない船着場であり、物資や人員は船を沖合に停泊させて、そこから艀で輸送するほかなかったそうです。また防波堤が無く、少しの高波でも作業が出来なくなるために、就航率が極端に低く、天候急変による作業途中の離脱で積み残しも多かったらしいです。
以上の理由での現在でも漁船を港内に停泊させられず、架空索道で陸上にある船溜りに移動させています。現地ではこれを「空飛ぶ船」と言うらしいです。
1785年4月18日に発生した火山活動により、島民327人のうち八丈島への避難が間に合わなかった130人余りが死亡したと考えられており、1824年に名主の佐々木次郎太夫らが還住(全島帰還)を果たすまでの約40年間にわたって無人島になったそうです。火山はそれ以来、約230年間噴火していないようです。
wikipedia
青ヶ島にどうやって行くか?
とりあえず、八丈島まで行きます。
八丈島から青ヶ島に行く方法は、以下の3パターンです。
1.ヘリコプターで行く
2.船で行く
3.八丈島から泳ぐ
一つずつ見ていきたいと思います。
手段1.ヘリコプターで行く
1993年より、東邦航空のヘリコミューター「東京愛らんどシャトル」が、八丈島空港と青ヶ島ヘリポートの間を片道約20分で毎日1往復しています。就航率は9割弱で、天候の影響を受けやすい海路と比較して就航率は遥かに高く、また所要時間も短いため、島民の主たる足となっています。
東邦航空のヘリコミューター「東京愛らんどシャトル」
乗客は9名のみ。時間帯は以下の通り。
料金は11750円。飛行時間は約20分です。
八丈島 9:20発 ~ 青ヶ島 9:40着
青ヶ島 9:45発 ~ 八丈島 10:05着
ヘリコプターは早い者勝ちで、島民優遇措置はありません。
少し割高ですが、これでも年間9億円の赤字らしいです。
※料金に関しては島民価格というものがあり、3000円ほど安いです。
搭乗予定日の1か月前、午前9時から予約が出来ます。
例えば10/31に予約したい場合は、9/30には予約が出来なく、10/1に10/31と11/1の予約をすることが出来ます。
予約方法は基本電話のみ。
メールでもできますが、それだと電話よりも対応が遅くなってしまいます。
私は10/1の9時から電話をかけまくりました。9時10分につながり何とか予約をすることが出来ました。
ここは運と根性で乗り切るしかないです。
11/2の青ヶ島~八丈島の便も同様に午前9時から電話をかけまくりました。
こっちは9時05分ぐらいに繋がったと思います。
アメリカの環境保護NGO、ONE GREEN PLANETが2014年に発表した『死ぬまでにみるべき世界の絶景13』に、この青ヶ島が選ばれているらしく、コロナ禍前は海外から(香港・中国が多かったらしい)の訪問も結構あったようです。
ということは、予約方法は基本的には電話しかないので、彼らは頑張って日本語で電話予約したのでしょうか?
いやあ、すごい根性。
手段2.船で行く
2014年1月より、伊豆諸島開発貨客船のあおがしま丸が底土港(八丈島)または八重根漁港と三宝港の間を片道3時間で週4往復しています。定期客船の就航率は6割弱で、特に海が荒れやすい冬場は、週に1度から10日に1度程度という低い状態が続いているようです。
本島に存在する港は2箇所あり、それらのいずれも集落から遠く離れたカルデラの断崖絶壁の下に建設されています。一つは南西部に存在する三宝港で、他方は南東部に存在する大千代港です。しかし大千代港は1994年に斜面が大きく崩落して道路が寸断されて以降は利用できなくなっています。
乗船時間は3時間です。
八丈島 9:30発 ~ 青ヶ島 12:30着
青ヶ島 12:50発 ~ 八丈島 15:50着
※就航日は確認してください。
現地のパンフレットでヘリコプターと船の就航割合表を入手したので、こちらに貼っておきます。
手段3.八丈島から泳ぐ
八丈島から約70km泳ぐことで青ヶ島に到達します。しかし絶対にお勧めしません(当たり前ですが…)。
理由は、青ヶ島は断崖絶壁のため、仮に青ヶ島に到達しても、そこから上陸するのは至難の業だからです。
上陸方法は一つであり、島の南西部にある三宝港から上陸する方法です。これ以外にありません。
とは言っても実際に「やってみよう」と思う人はいないと思うので、あまり真に受けないでね。
ちなみに青ヶ島が一番綺麗に撮影できる角度は、下記の角度(南東)からです。
理由はこの方角の後ろ側に太陽が昇るため、角度は午前中にちょうど順光になるためと、
この角度からだとカルデラの反対側にある、地熱で草木が枯れてしまっているあたりが上手い具合に隠れるからです。
これは現地に行かないとわからないと思います。
しかしこの撮影は恐らく特別な許可を取ってヘリコプターを飛ばさない限り、撮影できません。
一般人が乗るヘリコプターでは島の北部しか通らないからです(詳細は次回説明)。
ONE GREEN PLANETホームページより
青ヶ島の産業は?
青ヶ島の産業はほとんどないです。サツマイモ栽培ぐらい。
そのサツマイモを利用した、”青酎”を含む青ヶ島原産の焼酎が有名です。
あとは塩(ひんぎゃの塩)、唐辛子ぐらい。
おそらく大半は国からの補助金と本土からの仕入れで成り立っているのだと思います。
あとは地熱を利用した塩作り。
山のふもとには『ふれあいサウナ』があり、またその近くにある地熱釜を自由に使うことが出来ます。
交通に関して
島内に公共交通機関はありません。村中は軽トラックと軽自動車が走っています。
島はアップダウンが激しく、草木が生い茂っており狭い道が多いので、大きい車や高級車はありません。
レンタカー会社もありますが、軽自動車しかありません。
島のアップダウンが激しいため、恐らくバイクや自転車は貸出していないのだと思います。
(細い道だときつい坂に苔が生えていたり草木が散乱しているので、二輪車だと本当に危ない)
観光客はレンタカーを利用するか、民宿に車での送迎を頼む場合が多いです。
とはいえ電気自動車もあり、結構進んでいるところもある。
人口と宿泊施設
村民は160~170人らしいです。
うち小中学生が約10人、先生が30人弱らしいです。
学校の先生が多い理由は、中学は各科目ごとに先生が必要だかららしいです。
教員用の宿舎があり、そこに住んでいるようです。
島内の交通量は極めて少ないため、実用上の信号機は不要ですが、小学校近くに1基のみ設置されています。これは、高校のない青ヶ島の子供は、中学を卒業すると自ずと交通網が発達した本州、もしくは高校のある伊豆諸島の島に移り住む必要があり、生活に支障が出ないようにするためらしいです。
宿泊施設は5つしかありません。なので観光客のほかに、電力・電話などのインフラ関連で仕事・調査に来る人が1週間ほど宿泊することもあるそうです。そのほかNHKが取材に来たり、芸能人のロケなどがたまにあるらしいです。
私は元青ヶ島村長が経営する『マツミ荘』という民宿に泊まりました。
無番地?
青ヶ島には住所が定まっていないところがたくさんあります。
これらはすべて『東京都青ヶ島村無番地』という住所でひっくるめられています。
理由は登記が終わっていないかららしいです。
登記が終わっていないから、「どこからどこまでが〇〇さんの住所」と言うように定めることが出来ないため、
「東京都青ヶ島村無番地」と言うことになるらしいです。
しかし、そもそも村民が170人しかいないため、氏名から判別して家まで届けてくれるらしいです。
つづく
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